・・・自分に発破をかけるってどうやればいいんだろう?
というわけで、某作家の影響を受けて
『あいつ、そいつ、こいつ』で夢見てる小説の一部分アップ。
名称不明の夢主人公が出ています。
お嫌いな方はスルーで。
そのいち。
足首がつかまれる。
ミシリ、と嫌な音がした。
引き戻される。
そして瓦礫の山に叩き付けられた。
すさまじい衝撃が走り、息が詰まる。
痛みに呻く間も無く、何かが近づく感覚がした。
それに対して、体は反射的に動いてくれた。
足を縮ませ、上体のばねを使い、後ろ返りの要領でそこから飛び退く。
一瞬遅れて、衝撃と瓦礫の破片が後に続いてきた。
それに翻弄され、上手く着地できずに、何度か転がる。
急な運動をすれば、その分体は酸素を求める。
息が出来ない苦しさに、一瞬意識が飛びそうになる。
「か、・・・はっ、・・・」
こいつはやっとの思いで詰めた息を吐いた。
何度か咳き込み、荒く息をする。
ぱらぱらと破片が体に降りかかる。
背中は衝撃で痺れている。
それなのに、どくどくと何かが流れるような感覚はした。
恐らく叩き付けられた時に、木片や瓦礫が刺さったのだろう。
不意にこいつは眉根を寄せた。
あいつが追ってこない。
顔を上げると、数メートル先の瓦礫の山に巨大な傘が刺さっていた。
その横にはその持ち主。
持ち主は、こいつを面白いものを見るような眼で見ていた。
「おねぇさん、すごいね~」
声が頭上から降ってきた。
見上げるとそいつがきゃらきゃらと笑っていた。
「あそこで終わりだと思ったんだけどなぁ」
その言葉で、こいつは理解した。
あそこで体が反射的に動いてくれなければ、自分は今頃あの傘に押しつぶされていたらしい。
・・・たぶん、読めばどこのシーンの合間だかわかる。
そこら辺の壁に多分どっかの銀髪が埋もれているはず。
そのに。
子供達の指遊びは、今も昔もあまり変わらないらしい。
名前の文字数で、天国か地獄か大地獄のどれに行くかと占うものも確かにあった。
大地獄行きの人間がいれば、はやしたて、からかったものだ。
なにも名前の文字数ごときで、そんなものが決められるものだろうかと
はやしたてる者たちを前に首をかしげたものだった。
今現在では、その進化系とも言うべきものがネットで蔓延している。
それはそれで技術の進歩と発想の不思議さを改めて知るものである。
しょげているそいつを前にして、こいつは何を言うべきかわからなかった。
あの遊びでは、こいつはいつも悪い結果ばかりを摑まされてきた。
そして、からかわれてきた。
だが、こいつはそんなこと一欠けらも信じていなかった。
そんなもので生が決まってしまうのは面白くないと思っていた。
それにあの当時、この遊びは、彼の人の一声ですっかりと廃れてしまったのだ。
子供の遊びって、けっこう残酷だよなぁ、と。
思い出しては今更想う今日この頃。
そのさん。
平和呆けした。
そう思いながら、舌打ちするのは我慢した。
それが挑発とも成りかねない。
二人を護りながら、この局面を切り抜けるための算段をするが
どうにも思考は空転していく。
数が多い。
獲物がない。
そして相手が悪い。
こんな人のごった返した店の中で躊躇いもせず
銃を撃ったような連中だ。
ここに居る他の人間を巻き込むことなど、いとわないだろう。。
周りの人間に対して、命を負う義理はないが、寝覚めが悪いのはゴメンだ。
・・・多分、春雨初登場の前哨戦。
そんなこんなで、殺伐としています。
これって、夢見てるって言うのかな?
書くのは楽しいけれど。