この国が出来た日。
そんな日に、戦争が終わった。
俺たちは、何かをなくした。
「あんたが私を護る?」
老女の苦笑に、男はうなづいた。
男の腕の中に抱きかかえられたまま、女は老女を見つめていた。
「護る・・・・・旦那さんと会えたらお役目終了だけど」
「・・・・・・正直な奴だね」
老女は男の物言いに、少し呆れたそぶりを見せる。
そして踵を返した。
「まぁおいで。猫二匹ぐらいの面倒なら、しばらく見てやるさ」
そう言うと老女は歩き出した。
二人は、顔を見合わせる。
男はおもむろに、自分を指しながら、女に尋ねた。
「・・・猫?」
「・・・・・」
女は問いに頷く。
そしてぽつりと言った。
「私、犬のほうが、好き」
とまぁ、こんな導入の夢見てる小説。
拾われて。
何だかんだで住み着いて。
時には片方が江戸城の堀に沈めかけられたり。
もう片方はいつのまにやら誰かの代理に祭り上げられてたり。
でもいられるならば一緒にいよう。
一緒にいられるときまでいよう。
そんな風に決めたら
『それって普通、連れ合いとの台詞じゃね?』
とか突っ込まれたり。
とそんなこんなでギクシャクしながら。
どっか欠落しながらやっていて。
でもぼんやりと、生きてるんだなと思い始めたら。
片方が予想外の拾い物をしてきて。
もう一つオマケに拾ったというか脅されて拾わされて。
拾い物がさらに拾い物をしてきて。
なにやらいつのまにか、掌がいっぱいになっていて。
なーんて、お話かもしれない。
片方だけじゃなかったらというお話かもしれない。
うん、ぶっちゃけ、家族がいてもいなくても
この阿呆どもは変わらんというお話かもしれない。
阿呆が×1じゃなくて×2になっているというお話かもしれない。
ただ単に、誰かをいじめたいお話かもしれない。
というか、全部がはいったお話かもしれない。
だから、夢見てる小説、って言うんですよ。
何で晒したかって?
自分でによによしながら書いてて、自分が気持ち悪くなったからです。