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日々は過ぎる。 されどわが胸に残る風。
  2025/01/24 [02:01] (Fri)
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  2010/01/06 [23:22] (Wed)

妄想って楽しい。
楽しすぎて自分が気持ち悪いので、晒してすこし戒める。


銀魂で夢見てる小説。
アイツソイツコイツじゃないバージョン。
なんだかこの頃開き直ってる主人公。
いや、私が開き直ってるだけ。

『護る』決意までのモノローグです。




ずるずると、銀時を引き摺る。
こうしていても、ちっとも起きてくれない。

銀時、重たいなぁ。
うん、重たい。

重すぎて、どうしたらいいか解らない。

体重とか云々の話もそうだけど。
やっぱり重たい。

それでも、放したくない。
すごく大切だ。
あの子の事もそうだけれど。

この子を一人にしちゃいけない。
同じだから、解る時もある。

あの子は、一人で立っていられる。
この子は、まだ一人で立っていられない。

一人で立っているように見えるけど。
縋っているだけなんだ。
最後に手の中に残った、一本の刀に。

一人にしておいたら、いつか『世界』に喧嘩を売って死んでしまう。
この子の『護る』は、そういうことだから。

あの子たちも喧嘩を売るだろうけれど。
周りにあの子たちがいるから、嫌でも引き止めてみせるだろうし。
誰彼構わずってことはしないと思う・・・たぶん。

まぁ、止められなくてもそれはそれでいい。
このなんだかおかしな世界が、焦土と化すだけだ。
・・・ああ、でもそれは何か寝覚めが悪いから嫌だなぁ。

あの人の願いと、正反対だし。

憎しみだろうが、悲しみだろうが
何だろうが糧にして、しぶとく世界を生きてくれればいい。

『世界は無常だけれども、怖いものじゃない』って。
だから世界を知って、生きて欲しいって。

それが私の願いで、あの人の願いで。
ああ、でももう一度、笑って欲しいかな。
どちらかというと、こっちが私の願いか。

 

生きて欲しいって願ったのは、あの人や、私だけじゃなくて
玄ちゃんも、八兄ちゃんも、六太も平次も三郎も亮も、みんなみんなで。


そう、とうさまも、かあさまも。


自分も生きて、皆も生きて。
そうやって、続いてく事を願ってた。


でも結局、私に出来たのは。
刀を振るって、敵を斬り殺して。

斬り殺して斬り殺して斬り殺して。
誰かの終わりを、たくさん作っただけだった。

それでも、この願いだけは今でも思ってる。

誰が否定しようとも、嘲け笑おうとも。
これだけは譲れない。
何があろうとも。

この子の『護る』と、同じように。

ああ、結局私も、この願いにすがり付いているんだ。
だから、この子を一人にしちゃいけないと思ったんだ。


「・・・腹、括らないとなぁ」

そう、決めなきゃいけない。
この願いを叶えるために。
どっちつかずではなく、ここにいるために。

ここにいて、約束を果たすために。

『いつか私が、おかえりを言えなくなったときは』

喚いて、続きを否定して、聞こうとしなかった言葉を。
ずっと言えないでいた言葉を。


私の『護る』を・・・・もう一度始めなきゃいけない。


そうやって生きてきたつもりだったのに。
いつのまにか、違うところに来ていた。

失って、躍起になって護ろうとして。
そうこうしているうちに、何だったか解らなくなって。
・・・そうしてまた失いかけて、やっと気づいた。

出掛けに見たあんな顔で、さよならなんてイヤだって。
ただそれだけの理由だったんだ。

こんな簡単だったのにね。
何で気づかなかったんだか。


耳に呻き声が聞こえた。
そろりと視線をやれば、額に手を当てて、銀時が頭を振ってる。
ああ、起きたのか。
引き摺るために摑んでいた両足を放してやった。
まだすこし不明瞭だが、抗議の声がすぐに上がる。

ああ、大丈夫だ。


それにしても。
やっぱり私はあなたが憎いよ。

何で置いていったんだ。

しかも銀時には「さよなら」って言いやがって。
ちゃんと私にも聞こえてたんだよ。


でも感謝してる。
銀時は、だから生きてる。

 

でもごめん。
ごめんなさい。
まだ、許せそうにないや。


まだ、みんな笑ってないから。
みんなみんな、泣いたままだから。


いつかみんなが笑ってくれたら
また、あなたとも笑えるのかなぁ。

 

銀時が、ゆっくりと身を起こす。
私はその手を引っ張る。
銀時は立ち上がれたけれど、まだ、足下がふらついてる。
腕を肩に回して、支えてやる。
遠慮なくずっしりと、重みがかかった。

「・・・・銀時、重たい」

文句を言ってやった。
さっきよりも、明瞭な抗議の声が返ってきた。

 


そうだと、いいのに。
そうなら、いいのに。

ねぇ、しょうよう。

わたし、またわらいたいよ。
またわらったかおみたいよ。


だいすきだから。
だいすきだから。


○堀に沈めかけられた話の幕間。
 銀時を引き摺りながら、決意を固めた主人公。

 彼女の『護る』は、おかえりを笑顔で言うこと。
 そのための場所を、護り抜く事。

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