まあ色々と暇人です。
なんかカラオケ行きたいです。
家で歌ってるのはいいんですが・・・
階下のおやじに音痴と言われる。
テメーのほうが音痴だろうがっ!!
そんなこんなで夢見てる小説走り書き。
嫌いな人は嫌いかもしんない。
ちょっと銀ちゃんが女々しいのとオリキャラ注意。
※攘夷戦争中の出来ごと。
久坂と入江の最後の日より抜粋。
そして、彼らの子ども時代の完全なる終わり。
「何でぱっつぁんが行かなきゃなんねぇんだよっ!」
「戦とは、そういうものだからだよ」
銀時の叫びにも振り返ることもせず、八一は刀の手入れを続ける。
そんな八一の態度が、銀時は腹立たしかった。
「私達が行けば、お前達が残れる」
「だからって」
銀時の言葉をさえぎり、八一は冷静に告げる。
「四人を損失するより、二人だけの方がマシだろう?」
割り切ることの出来ない、けれど単純な計算だ。
全部解りきっている。
銀時とて、解っているのだ。
しかし感情は、思考についてきてはくれなかった。
八一は刀を鞘に納めて置くと、「よっこいしょ」と立ち上がる。
入口に仁王立ちしたままの銀時はこちらを睨みつけるように見ている。
普通の人間だったら、その眼光に恐れをなしただろうに。
「銀時」
八一は銀時をまっすぐに見つめる。
「私達に・・・可愛い弟(おまえ)たちを護らせてくれるかい」
穏やかに八一は笑った。
銀時はその笑顔を直視できず、下を向いた。
「・・・ずりぃ」
握った拳が、ぎりりと音を立てる。
「ずりぃよ、その口説き文句」
「そりゃあ大人だからね」
ひょうひょうと答える八一に、銀時はますます顔をゆがませる。
その様子に八一は苦笑いして、手を伸ばした。
良く跳ねたその頭を撫でる。
「相変わらず、手触りいいなぁコレ」
「・・・うるせぇよ」
「またとない髪の毛だから大事にしなさい」
「・・・なんだよ、それ」
「餞別の言葉さ」
それから、と八一は続ける。
「いつか・・・この名前を、呼べる人が出来るよ」
銀時ははっとして面を上げる。
「ぱっつぁん・・・」
「その時は、背を預けて一緒に戦ってくれるかい」
置いていくのではなく、共に戦う仲間として。
いつか、きっと。
その誰かとともに。
銀時は返事を返せなかった。
再び下を向き、こみ上げるモノを抑えることに必死だった。
八一は最後に一度ぽんと頭を撫でると、用意した荷物を持った。
よく手入れされた、刀を一本だけ。
それが、彼が持つすべてだった。
「じゃあね、銀時」
彼が、横をすり抜けていく。
「『さよなら』だ」
銀時は、振り返ることができなかった。
女々しいかもしんないけれど書いてみてる。
こうやって仲間を失った事もあるんだろうと思いまして。
どうしても、この戦に赴かなければいけない。
これは、死を免れない戦だ。
それならば、人数の問題だ。
4人の価値と、2人の価値が同等ならば
2人で行こうじゃないかというお話。
子どもである彼らが、大人の理論に触れた瞬間でもあります。
それまでは復讐とか勢いとかふわっとしたもので参加してたんだろうと。
ここで一度打ちのめされたんだろうと。
彼らの子ども時代の終わりでもあります。
桂や高杉がそれぞれの隊の先頭に立ち
銀時が白夜叉と呼ばれる時代になります。
そして辰馬と出会うわけです。
登場人物
入江八一(いりえやいち)
村塾の塾生の一人。愛称は『はち兄』
久坂玄三郎とともに年長者として塾生たちのまとめ役をしていた。
銀時の補習係はおもに八一の役目だった。
松陽の死後、攘夷に走る後輩たちのために自らも攘夷志士となる。
高杉の鬼兵隊の創設にも力を貸していた。
攘夷戦争終盤の激戦の一つ『禁門の変』で久坂と共に戦い、死亡。
銀時だけが彼を「ぱっつぁん」と呼んでいた事は、もはや誰も知らない。