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日々は過ぎる。 されどわが胸に残る風。
  2024/05/17 [09:56] (Fri)
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  2010/10/10 [00:00] (Sun)
10月10日。
もと、体育の日。
過去に星まつりの日とか制定しようとしていたらしい。

意味ある日から休日を動かすハッピーマンデー制度は
私は要らないと思うんだ。

どうせ仕事が増えるだけだしな。




というわけで毎年恒例いつもの祝ってないお話を一つ。

十月十日。
それの意味を知ったのは、ずいぶんと昔だった気がする。



それはあのおちゃめだけが取り柄で
料理が壊滅的に下手だったあの人が
三番目にくれたものだったはずだ。


くれた時に思ったのは、甘いものがたらふく食える日だということ。
糖分の日と、覚えた。

うれしいとか、そういった感情は
あんまりわからなかった。

そう思っていたと知ったのは
あの人が消えてから、最初にやってきた、あの日だったと思う。


十月十日。
その意味を別の形で知ったのは、その日を貰ってしばらく経った後。

人間が、腹の中で創られる時間。
それが十月十日。

だからつけたんじゃないかと、どこかのバカが言っていた。

少しショックを受けた。
俺は人の腹から生まれたかどうかも、わからなかったから。


その後で、その数え方は間違っているとか言われた。
その数え方でいくと、11月に生まれる計算になると。


その後で、それとなく、なぜこの日にしたのかと聞いてみた。
そして、お茶を濁されて終わった。



十月十日。
血生臭い、青春時代には、あまり意味がなかった。
時々、思い出したように、みんなで酒を飲んだ。
それぞれの、その日に。



それすらも終わって。
十月十日に、意味はなくなった。
誰も知らなかった。
ババアでさえも。

俺も、気づかなかった。
その日が過ぎ去ろうが、どうしようが、何もなかった。


つい最近。
本当につい最近だ。
十月十日の、在処を聞かれた。

素直に答えた。

ガキどもが、顔を見合わせた。






そして、俺は雑誌を見つめる。
うちの居候のために、なじみの喫茶店から貰ってきてやった古い女性誌。
気まぐれにと手に取ってみた。

それが、まずかった。

「・・・・・・あの野郎」


やっぱりこの数え方だったじゃねぇか。

十月十日。
人の創られる時間。







「銀さん」「銀ちゃん」



後ろから急に呼びかけられて
慌てて振り向く。


そこにいたのは、ガキ二匹。
俺を見てニヤリと笑ったのは、
手元にある雑誌の内容を知ってのことだろうか。



ガキどもの口元がそろって動いた。

・・・え?
なんだって?



ガキどもの言葉を理解する前に
目に飛び込んだのは、カレンダーのあの数字。


十月十日。



いつのまにやら
ご丁寧に花丸が、描かれていた。




十月十日。
今日、また意味をひとつ知った。
















というわけで
おめでとう、銀さん!

相変わらず祝ってない小話だけれど。
まぁ、毎年恒例ってね。

十月十日の意味は、まぁ、ご想像にお任せします。
人として体がつくられた日と
坂田銀時としてつくられた日が
同じって素敵じゃないですかね。
いいんじゃないかな、誇っても。
いいんじゃないかな、嬉しがっても。


この日この時。
それぞれにある、十月十日に。
わたしは、贈りたいです。











『ありがとう』の言葉を


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